記憶力がもてはやされる時代は終わるのか?
かつて「記憶力」は、ペーパー試験に打ち勝つための最も重要な能力でした。しかし今、生成AIがその役割を肩代わりするようになり、「記憶力」はもはや最優先の能力ではなくなりつつあります。これは電卓が登場したことでそろばんや暗算スキルの価値が想定的に下がった状況とよく似ています。
では、記憶力に代わって、これからの時代に求められる力とは何でしょうか?
生成AIが出す答えを判断する「判断力」や「問題解決力」、人間らしい特性の「コミュニケーション力」や「コラボレーション力」など、さまざまな意見があると思いますが、私は「発想力(想像力」だと考えています。人間が未来を見据えて発想し、生成AIがその実現に向けて力強くサポートする。そんな新しい社会のかたちがになると予感しています。
これの変化は教育や学びのスタイルにも大きく影響を与えるでしょう。読む・聞くという受動的なインプットは記憶力の養成には効果的ですが、発想力はディスカッションや対話の中でこそ育まれます。日本人は静かに机に向かって黙々と勉強するというスタイルが好きです。しかし、外に出て自分の考えを言語化して他者とぶつけ合い、そこから新しい価値を生み出す。そんな能動的な学びを意識して行動する必要があると思います。